アートが彩るクリスマス―アーティストとゲストをつなぐプロジェクト

横浜赤レンガ倉庫を舞台にクリスマスシーズンに開催されているアートコンペティションにアートのある暮らし協会が審査員として参加いたしました。

アートが彩るクリスマス―アーティストとゲストをつなぐプロジェクト

 横浜赤レンガ倉庫を舞台にして、クリスマスシーズンに開催されているアートコンペティション。 毎回7000人に及ぶ来場者で賑わいます。

毎年、こちらのイベントに、アートのある暮らし協会も特別審査員として参加し、ご協力をさせて頂いています。

今年は、ゲストにアートコレクターの宮津大輔さんをお招きし、アートのある暮らし協会代表理事・枝澤がファシリテーターを務め、一夜かぎりのスペシャルトークイベントを開催いたしました。

宮津大輔氏スペシャルトークショー

今回のテーマは『クリエイティブの時代』。

宮津大輔さんは、大学で美術教育に携わりながら、国内外の講演会、テレビ番組への出演、現代アートに関する数々の執筆をこなされる、今もっとも注目を集める日本を代表する現代アートコレクターです。

アーティストと共同で建設した自宅“ドリームハウス”も話題にもなっています。サラリーマン時代からコレクションを続けられた「宮津コレクション」は、現在約400点。国内外で高い評価を得ています。

今回は、宮津さんのトークショーの内容の一部をご紹介いたします。

これから必要とされる”クリエイティブな時代”とは?

今、我々の世代って、僕もこうやってスマホ持っていますが、たいていのことがスマホでできますよね?

長い文章を送ること自体難しくなっていて、絵葉書を送ろうかとか、 手書きで手紙を書いたりする人も少なくなっていると思います。

“お母さん、みかんを送ってくれてありがとう。”とかね。

今はもう、文章を書くことなく、絵文字やスタンプだけで済ますことだってできる。

そうやって、手の中で全て完結して、全てデジタルになっていくとどうなっていくのでしょう。

「シンギュラリティ」と言われていますが、2045年には人間がつくったロボットが人間の脳を超える時代がくると言われています。

コンピューターや機械が人間を超えた時に、果たして世の中はどうなるか?

2つ可能性があると言われています。

一つは、コンピューターやAIと仲良くするという共存共栄の世界。

もう一つは、SFみたいですけど、コンピューターに人間が支配される世界。

ホーキング博士(物理学者。車椅子に乗っている姿を記憶されている方も多いと思います)は、コンピューターに人間が支配されてしまうと言っています。

しかし、本当にどっちになるかはわからない。

例えば、AI(人工知能)は、人間の脳の代わりにいろんなことを考えることができるわけですが、AIにしても、実は今までは、人間と同じことしか考えられなかった。

しかし、今や囲碁やチェスでは、ここ数年で世界チャンピオンに機械が勝てるようになってきています。

また、“ビッグデータ”をご存知でしょうか?

今までは一見意味のない情報でしかなかったのに、細かいデータを集めて、それをAIが解析すると、例えば「20代男性の神奈川県の男性は、このようなものが好きだ」とかいうことが、すぐに出てくるわけです。

これから、全てがそんな人工知能に頼る世の中になってくると言われています。

だけど、その時に、人間だけに残されたものが何か?というと・・・

それが“クリエイティブ”なんですよ。

みなさんも、絵を書いたり、作品を作ったりされますよね。AIが書いた絵なんかも最近あるんですよ。それこそ、うまくはかけるんですよ。

でも、「わ!変わってる」「え?こんなものが?」「これないでしょ?」みたいな作品は、逆に、AIやコンピューターには作ることができない。

それはなぜか。それはコンピューターは、正しいことをしようとするからです。

でも人間は、「間違ってもOK!、極端でもOK!、ずれていてもOK!」とかいうことも、ありじゃないですか。

それこそが、クリエイティブ。人間にしか作りだせないものではないでしょうか。

これから、AIやコンピューターが発達、進化していくほど、そういう“クリエイティブ“な感覚が大事になってくるわけです。

今、なぜビジネスマンをはじめ、多方面から「アート」に関心が寄せられるようになったのでしょうか?

今までの経営やマネージメントは、理論だけでよかったのだと思います。

しかし、これからは、直感や感性が、重要になってくる。これが(多くのビジネスマンに)ヒットしたんでしょうね。

しかし、考えてみれば、レオナルドダヴィンチは、科学者であってアーティストだったわけです。

今でこそ、アートと科学とか、理論と感性とか分けて考えていますが、元々は一緒だったわけじゃないですか。

ANA(航空会社。元々は日本ヘリコプター輸送として設立された)の昔の社章デザインは、 レオナルドダヴィンチが作ったヘリコプターの原型図案が元になっていて、ANAの尾翼にも、そのマークがついていたのは(科学とアートが一体であったことを知る)いい例です。

今世界のアートコレクターの間では、どういうアートが評価されているのでしょうか?


一つは、多様性。

多様性って何かというと、 人種・宗教・性差(ジェンダー)。 性差については、生物的な性というより、社会的な性差。LGBTといった多様な性のあり方を認めていこうという考え方です。

例えば、世の中が今、(キリスト教的・イスラム教的な)一神教の時代じゃないですか?

しかし、我々、日本人ってアニミズム的な思考を持っていて、 いろんな神様に価値を見出したり、全く違う宗教同士でも結婚できたりして、多様な価値観を受け入れやすい国民性なんですよ。

まさに今の世の中で求められているのが、そういった考え方です。

一つの価値観だけでは、危機感があって、こういう時代だからこそ他人を理解し、多様な考え方を持とうとする流れが出来てきているんですよ。

それは、ビジネスでもアートでも、なんでも一緒です。

アートって、美術館でみるのも大事ですが、話題のミュージックビデオとか、時事ニュースなどを見れば、これからどんなアートが来るのかっていうのは、もうその中に答えが出てきているんですよ。

宮津さんが思うアートの面白さとは?

買った作品は変わらない。しかし、見ている我々が変わるんですよ。

30歳に買った作品は、40歳になって見るのと、50歳になって見るのとちょっと違う。

それは、著名な作家のものを所有しているとか云々ではなく、自分にとって優れた作品は、“自分を映す鏡”になるということだと思います。

いかがでしたしょうか?

これからの新しい時代を、クリエイティブに生きぬく皆様を、応援しています! よいお年をお迎えくださいませ。

宮津大輔さんは、アートのある暮らし協会の資格講座「アートライフスタイリスト短期養成講座」でも特別講師をつとめていただいております。

「アートライフスタイリスト8期生短期養成講座」は来春3月アートフェア東京からスタートいたします。
ご興味のある方は、まずは、入門講座へご来場くださいませ。