コロナ禍でも楽しめる!ヨコハマトリエンナーレ2020レポ

ニック・ケイヴ
《回転する森》2016(2020年再制作)
©Nick Cave
ヨコハマトリエンナーレ2020展示風景
撮影:大塚敬太
写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

コロナウイルス感染拡大の影響で、世界の芸術祭が中止や延期になる中、ヨコハマトリエンナーレ2020が無事開幕!

早速行って来ました〜!

今回は、アーティスティック・ディレクターもアーティストも来日できず、オンラインで打ち合わせを繰り返し、制作会社が作ったものを映像で送り確認しながら、密にならないように、展示室を分けて順番を決め、作業を進めたそうです。


ヨコハマトリエンナーレ2020基礎知識

横浜トリエンナーレとは、横浜市が3年に一度開催する現代アートの国際展です。

「ヨコトリ」という愛称で親しまれ、2001年に始まり、今回で7回目の開催となります。「トリエンナーレ」とは、イタリア語で「3年ごと」を意味します。世界各地で開催され特色も様々です。

一過性でなく3年に一度周期的に開催し、世界の情勢が日々目まぐるしく変化する時代の中、世界と日本、社会と個人の関係を見つめ、アートの社会的な存在意義をより多角的な視点で問い直しています。

ヨコトリ2020の特徴

今回のヨコトリ2020は、横浜美術館とプロット48の2カ所をメイン会場に、国内外から67組のアーティストが参加しています。日本で初めて作品を発表するアーティストが多く、半数が20代、30代の若い世代です。一人のアーティストをみても、生まれたところ、学んだところ、活動しているところが違う多国的な人たちです。そして、出身地や活動拠点が欧米だけでなく、アジア、中東、アフリカと多様なこともヨコトリ2020の特徴です。

今回のタイトルは「ヨコハマトリエンナーレ2020 AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」です。AFTERGLOWは、残光・残照という意味があり、まばゆい光を放った後に残る小さな光のきらめきを意味します。生命が長い時間をかけて生まれ、消えていく営みの先に、今の社会があるとの考えでこのタイトルが設定されました。

ヨコトリ2020のアーティスティック・ディレクターは!?

ラクス・メディア・コレクティヴ
撮影:田中雄一郎
写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

今回のヨコトリでは、初めて海外のアーティスティック・ディレクターを迎えました。

実行委員会が20人ほどの方にアーティスティック・ディレクターを推薦してもらったところ、実に7割の方が外国人を出してきたそうです。

推薦された中から4人の外国人にプレゼンしてもらい、「ラクス・メディア・コレクティヴ」に決まりました。

作品制作や執筆、展示の企画など多岐にわたる活動をしているインド出身の3人組のグループです。

その名前にある「ラクス」という言葉は「回転し続ける」ことを表し、その名の通り彼らは動きながら考えて発信し続けています。

ラクスは今回のヨコトリを企画するにあたって、ある仕掛けを用意しました。その仕掛けとは、展覧会に「テーマ」を設けずに、前もって「ソース」を作家や私たちと共有することから展覧会を出発させたことです。

「ソース」とは、もともと根源という意味で、情報源と言う意味も持ち合わせます。

ラクスは「ソース=思考の源泉」として、時代や文化的背景の異なる実在の人物の生き方や考え方を紹介する5つの文章からなる「ソースブック」を用意し、昨年11月にヨコトリのウェブサイトに公開しました。

1、「独学の哲学者であった横浜の日雇い労働者の記録」

2、「今から100年以上前に日本人と結婚し未知の国日本を訪れたベンガル人女性による日本訪問記」

3、「二人の女性の友情について考察したエッセイ」

4、「インド16世紀の挿図入りの占星術百科事典についての文章」

5、「生物学者下村脩による生物発光の研究に関する文章」

時代も国もバラバラな文章の集まりである5つのソースですが、ソースブックを読んでいくと「独学・発光・友情・ケア・毒性」が共通するキーワードとして浮かび上がってきます。

 ヨコトリ2020の楽しみ方

岩井優《彗星たち》」清掃アクション
右:岩井優 左:アートライフスタイリスト井手和枝

ラクスはアーティストも鑑賞者も一人一人が、「ソース」を手がかりとして考えることから始め、同じ源から自由に発想を得た参加者達の様々な思考や対話による予測のつかない出会いが生まれていくことをヨコトリ2020に期待しているのです。

あちこちで対話が発生し、積み重なっていく様を、ラクスは「茂み」とも表現しています。

ソースの複雑さゆえに、様々な思考や感情が沸き上がり、生い茂るように豊かな対話に発展することを、ヨコトリ2020において実現しようとしています。

ラクスがヨコトリのために用意した「ソース」を読みこみ、理解しようとするうちに、提示された「ソース」以外の事柄も作品をみる手がかりとして私たちの身近にあることに気づかされます。

例えば、個人的な関心や興味から、また、新型コロナウイルスや環境問題、差別が引き起こす社会的な課題を様々な角度から考えるきっかけになるかもしれません。

「ソース」を手掛かりに、作品でアーティストが語り掛けるものから、「光の破片をつかまえる」ように煌めく何かを見つけていただければと思います。


 ヨコハマトリエンナーレ2020をオンラインで楽しむ方法

イヴァナ・フランケ 《予期せぬ共鳴》(2020)
© Ivana Franke

今回、展覧会の期間は7月17日から10月11日までですが、前回のトリエンナーレと次のトリエンナーレまでの約1000日をヨコトリ2020が占める期間と考え、昨年「ソースブック」の公開と同時に開催されたエピソードを皮切りに順次WEBで公開されています。


*ガイドサポーターによるオンラインガイドについて*

ガイドサポーターによる会場での案内は中止ですが、オンラインガイドはやっています。

↓「オンラインガイドココがみどころ!」

ソースについてはコチラ

この記事を担当したアートライフスタイリスト

井手和江のプロフィール

スタジオ・イランカラプテ代表
アートライフスタイリスト・インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター・収納プランナー・整理収納アドバイザー。30年以上住まいのホームドクターとして、リフォームやインテリアコーディネートをしています。自然素材を使いバリアフリーにする事で、家族が安らげる住まいを提案しています。
皆さまのライフステージに沿ったリフォームのご相談・早い時期から終活の準備をなさるリフォームのご相談を賜ります。心の中の深層ニーズをヒヤリングして、引き出し、後悔しないリフォーム工事を行います。ご予算の中で、ご希望が満たされるリフォーム・コーディネートをモットーとしていますゆたかな暮らしができるアート探しはお任せください。

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